洗濯洗剤の選び方

汚れを落としの主役【界面活性剤】その種類の差は?

さて、そもそも濯洗剤ってどのようなメカニズムで汚れを落としているのか調べてみたくなりました。

 

という事でまずは洗剤の成分を見ていきます

 

例:液体合成洗剤【アタック 高浸透バイオジェル】の成分を引用

 

まず製品パッケージの裏にこのような表記があるかと

界面活性剤[33%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、直鎖アルキルベンゼン系]、安定化剤、アルカリ剤、pH調整剤、分散剤、酵素、蛍光増白剤

 

裏面に主要な成分は記載されているのですが、花王のホームページを見ると更に詳細な成分データが載っています。

成分名称 機能名称
工程剤
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 界面活性剤
クエン酸塩 pH調整剤
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩 界面活性剤
ブチルカルビトール 安定化剤
エチルアルコール 安定化剤
脂肪酸塩 界面活性剤
アクリル酸塩系共重合物 分散剤
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩 界面活性剤
エタノールアミン アルカリ剤
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 界面活性剤
塩化カルシウム 安定化剤
亜硫酸ナトリウム 安定化剤
香料 香料
蛍光増白剤 蛍光増白剤
酵素 酵素
着色剤 着色剤

このように計17種類の成分が入っています。

 

内訳としては

界面活性剤【汚れを落とす成分】 ×5
安定化剤【製品の保存安定性を保つ働き】 ×4
工程剤【製品を製造する時に、作業工程をスムーズにする働き】 ×1
pH調整剤【製品の(pH)を調整や安定化させるための成分】 ×1
分散剤【汚が再び洗濯物に付かないようにする成分】 ×1
アルカリ剤【洗濯液をアルカリ性に保って洗浄力を保つための成分】 ×1
香料【香りを付与】 ×1
蛍光増白剤【衣類を白く見せる染料の一種】 ×1
酵素【繊維の奥に入りこんだ脂汚れやたんぱく質汚れを分解する物質】 ×1
着色剤【製品に色を着色】 ×1

 

一番多く配合されているのが【界面活性剤】
なんと5種類
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル 【非イオン(ノニオン)界面活性剤】
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩 【陰イオン(アニオン)界面活性剤】
・脂肪酸塩 【陰イオン(アニオン)界面活性剤】
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩 【陰イオン(アニオン)界面活性剤】
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル【非イオン(ノニオン)界面活性剤】

 

これが汚れ落としの主成分になっているのですね。
この界面活性剤がどのような働きをしているかを知るのが洗濯洗剤を知る大きなポイントになりそうです。

界面活性剤とは

界面活性剤について詳しく紹介されている以下のサイトを参考に
洗濯洗剤選びに参考にしたい要点をざっくりとまとめてみました。

 

界面活性剤とは?

”水と油”のような本来混じり合わない物質の界面(境界線)に働いて界面の性質を変え、混じり合わせることができる科学物質。

 

界面活性剤の分子構造はこんなマッチ型

 

 

「水になじみやすい部分(親水基)」と「油になじみやすい部分(疎水基)」の両方をあわせもつという特徴をもっています。
つまり仲の悪い二人の間に入って、仲良くしてくれる人のイメージですかね。

 

この仲介役が洗濯時に色々な働きをします。

 

界面活性剤の働き4種

(1)浸透作用
ウールなど水にぬれにくい繊維に働きかけ、繊維のなかに水を浸透させる

 

(2)乳化作用
水と油(洗濯でいう油汚れ)の境界線に働きかけて油を界面活性剤の分子でとりかこみ、
どんどん小さく分散して水と混じりあった状態にする。

 

(3)分散作用
ススのような粉状の固体が水に入ると混ざらずに表面に浮かんでしまうが、
界面活性剤を加えると、ススをとりかこみ細かな粒子にし、水中に分散させる。

 

(4)再付着防止作用
界面活性剤によって取り囲まれ水中に分散した汚れなどは、布を入れても再付着しにくい

 

つまり衣類を洗濯しやすい状態にして、汚れを剥がし、水中に分散させるという、
洗濯の仕事の多くを担っている物質という事ですね。

 

 

各メーカー色々な種類の界面活性剤が使われていますが界面活性剤には大きく4つの種類があり
どの種類の界面活性剤が使用されているかで製品の特色が出きます。

 

ざっくり分類表を作ってみました。

 

活性剤の種類 特長 主な用途

陰イオン
(アニオン)

皮膚刺激が低い
耐硬水性にすぐれる
泡立ち性が良好

衣料用洗剤
シャンプー
ボディソープ

陽イオン
(カチオン)

皮膚刺激が強い
繊維などへ吸着する
帯電防止効果がある
殺菌性がある

ヘアリンス
衣料用柔軟剤
殺菌剤

両性

とっても低刺激
水への溶解性に優れる
他の活性剤と相乗効果あり

シャンプー
ボディソープ
台所洗剤

非イオン
(ノニオン)

とっても低刺激
親水性と疎水性のバランスを容易に調整できる
乳化・可溶化力に優れる
泡立ちが少ない
温度の影響を受けやすい

衣料用洗剤
台所用洗剤やシャンプー
乳化・可溶化剤
分散剤

 

 

この4つの分類の中で洗濯洗剤に多く使われるのは
★陰イオン(アニオン)界面活性剤
★非イオン(ノニオン)界面活性剤

 

この2つの特徴を知る事が洗剤選びのポイントになりそうです。

 

陰イオン(アニオン)界面活性剤

洗濯洗剤に多一番多く使われているのが陰イオン(アニオン)界面活性剤

陰イオン(アニオン)界面活性剤とは?

水に溶けたときに、疎水基のついている部分がマイナス(負)イオンに電離する界面活性剤

洗い上がりがマイナスの静電気を帯びるので、皮膚刺激に繋がったりします。
静電気を押さえる為には逆の電極をもつ陽イオン(※柔軟剤の主成分)で中和して、
帯電防止するという洗濯方法に繋がるわけですね。

 

陰イオンの中にも様々な種類がありますが、覚えておきたい違いはこの2つ

石けん系(純石けん分・脂肪酸ナトリウムなど天然の牛脂やヤシ油、パーム油などが原料)
 ⇒⇒シャボン玉せっけん、ミヨシ、パックスナチュロンなどが有名
=特徴=
・洗浄力が高い
・環境や肌に優しい
・泡立てや石けんカスの処理など扱いが難しい
・衣類がふっくら仕上がる(せっけんカスが生地の表面に残り滑らかな手触りに)

 

合成洗剤系(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩・アルキル硫酸エステル塩など石油などが原料)
 ⇒⇒アタック、トップなど定番の洗濯洗剤のほとんどに使用されている
=特徴=
・洗浄力が高い
・使い勝手がいいように加工されているので扱いやすい
・種類がとても多く、特性などで選べる範囲が多い
・洗い上がりは固くゴワゴワ

この2つは以前から洗濯洗剤の選び方の比較によく出てきますね。
ざっくりとしたイメージだと
★石けん系は肌や環境に優しいけど、石鹸カスや溶け残り問題など扱いにコツが必要
★合成洗剤系は石けんに比べて肌や環境に優しくないとされているけど、コスパや使い勝手はとてもよし

 

洗濯洗剤選びではいつも比較されてばかりの2つの界面活性剤ですが、
分類としては同じ”陰イオン”というくくりというのが意外。
仲間なんですね(゚∀゚)人(゚∀゚)

 

もっと詳しく違いや特徴などは以前の話を参照してください↓
合成洗剤と石鹸洗剤

 

そしてアニオン(陰イオン)の次に多く配合されているのが

非イオン(ノニオン)界面活性剤

 

非イオン(ノニオン)界面活性剤とは?

水に溶けたとき、イオン化しない親水基をもっている界面活性剤で、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の全ての界面活性剤と併用できます。
このように使いやすい性質をもっているため、近年、非イオン系界面活性剤の使用量が非常に増えてきています。

 

ノニオン代表洗剤は【おしゃれ着洗剤】

 

なぜおしゃれ着洗剤によく配合されているかというと
ノニオンの特徴を見てみると分かり易いです。

 

〇ものすごく低刺激
サイトによっては”刺激・毒性なし”と表記されているところもあるくらい。
(このご時世”なし”と言い切るのはなかなかハードルが高いのか、”ほとんど低刺激”とか”マイルド”という表現が多かった)

 

〇電気を帯びないので静電気がおこりにくい

 

〇繊維ダメージが少なく洗い上がりが柔らか

 

▲洗浄力が弱い

 

▲価格が高め

 

 

非イオンは優しく洗いあげるけど、洗浄力やコスパ的に毎日の洗濯には不向きといった印象を受ける洗剤。

 

だったのですが!!

 

最近の非イオン系洗剤は進化していて洗浄力も価格帯も大幅に改善されている傾向にある。

 

私も非イオン系の洗剤(おしゃれ着用ではない洗剤)を使用してみましたが、
普段着洗いには洗浄力も申し分無し。ニオイ等普通に落ちます。
(シミになった頑固な汚れは下洗いが必要)

 

なにより衣服は柔軟剤を入れたのかと思うくらい柔らかく仕上がる。
(ふっかふかとまではいきませんが、洗濯物を干してる時点でいつもとは明らかに違う。)

 

なにこれ最高じゃーんと思うのですが、
非イオン系の洗剤、選び方にポイントがあります。

 

非イオン系界面活性剤が主で配合されていても、
陰イオン系の界面活性剤が一緒に配合されていたらそれは混合界面活性剤になりイオンを帯びる洗剤になる。

 

というのも非イオンは中立(ゼロ)の立場なので、他のイオンと混ぜるとそちらの静電気に引っ張られるそうです。

 

つまり今回例に出したアタックのバイオジェル、一番多く配合されている界面活性剤は非イオン系でしたが、
その他でがっつり陰イオン系が配合されているのでマイナスの静電気を帯びる洗剤になるかと思います。

 

陰イオンだから悪いという事ではありませんよ。非イオン系と陰イオンのいい所取りの洗剤って事です。
むしろほとんどの洗剤は非イオンと陰イオンの混合です。

 

混ぜ合わせる事でパワーアップが期待できますが、低刺激とは言えなくなるので

 

低刺激で洗い上がりが柔らかになる洗剤を使ってみたい!と思ったら
非イオン界面活性剤オンリーで構築されているものを選んでみましょう

 

非イオン系の洗剤の一例(とても少ないです。)随時更新予定・・・

エマール リフレッシュグリーンの香り&アロマティックブーケの香り

 

ファーファ液体洗剤 ベビーフローラル

 

※界面活性剤以外の成分で刺激があるものが入っていたりするので、全くの刺激無しの製品という訳ではありません。
マイナスの静電気を帯びないから静電気が起こりにくく、肌刺激が他の洗剤よりも少ないという説。

 

まとめ

なんとまあ界面活性剤の奥の深い事。

 

とんでもない数があるので、界面活性剤の種類の名称別に試す事は一般家庭ではまず不可能に近いです。

 

まずは【陰イオンが主】の洗剤と【非イオンが主】の洗剤を比べてみると違いが出やすくて面白いです。

 

系列の違う洗剤を何種類か持ち合わせると
汚れの具合や気分で使い分けできるので洗濯が楽しくなりますよ。

 

 

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